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UNAIDS(国連合同エイズ計画)及びWHO(世界保健機関)が発表した2015年の統計では、HIV感染者数は3,670万人となっており、新たに210万人が感染しています。2005年以降45%の減となっているとはいえ、いまだ1年間に110万人がAIDSにより命を奪われています。日本は2007年まで右肩上がりで新規感染者の増加が見られていましたが、それ以降は新規感染者は1500人前後で推移しています。とはいえ現在に至るまで年間1500人前後の新規感染者が報告され続けており、今のところ減少の兆しは見られていません。そのため、報告されているだけで2015年末で累積感染者数は約2万6千人に達しています。
HIVウイルスが発見されて30年以上が過ぎ、その間多くのAIDS研究がおこなわれ、HIVに対する薬剤も数多く開発されてきました。先進国ではその恩恵にあずかり、『AIDS=死』ではなくなりつつあります。しかしその恩恵にあずかれない国では、今もまだAIDSは死の病気であり、薬剤耐性ウイルスの出現、薬剤の副作用等の問題から先進国でもやはり死を意識せざるを得ない病気であることには変わりありません。しかも、薬剤で病気の進行を止めることができても未だ根治が達成できていないため、一度治療を開始したら一生服薬し続けないといけないのです。

UNAIDSやWHOがAIDS撲滅を目指した特別総会を開催しその制圧に必死になっていることは、現在においてもこの病気が人類に対する大きな脅威であり続けていることを如実に物語っています。2016年6月の国連総会ハイレベル会合で採択された政治宣言の中で、2020年までに90-90-90(感染者の90%を診断し、そのうち90%を治療し、しかも90%の治療を成功させる)を達成し、3000万人のHIV陽性者が治療を受けられるようにする。また、若者と成人のHIV新規感染を75%減らし、15歳未満の新規感染を95%減らすと謳われています。しかし、いかにして薬を行き渡らせるか、その資金をどうするのか、有効なワクチンは可能なのか等々超えないといけない問題は山積みなのです。HIVの感染を予防するワクチン開発に対する期待はもちろん大きいのですが、一方で新たな薬剤の開発及び、薬剤と免疫療法を組み合わせた新たな治療法の開発などが強く求められています。

熊本大学エイズ学研究センターは、1997年に日本の大学では初めてのエイズ専門の研究センターとして設立されました。熊本大学は、HIVと同じヒトのレトロウイルスであるHTLV-1の研究のメッカとして知られており、レトロウイルスの研究では日本で最も歴史があります。また、伝統的に炎症学や免疫研究がきわめて盛んであったことが、このセンター設立の基盤になったといえるでしょう。 AIDSを取り巻く現状と本学の研究開発の強みから鑑み、エイズ学研究センターはHIV感染症に対する免疫反応を中心とした研究を行い、抗HIV免疫(細胞傷害性T細胞や中和抗体)を用いた新たな治療法や予防法の開発を目指してAIDSとの戦いを続けてまいりました。しかし、まだまだAIDSとの戦いは道半ばです。この戦いに加わっていただける多くの若い研究者、学生の参加をお待ちしています。また、今後ともAIDS治療に関わる多く方々のご協力とご支援をお願いしたいと思います。

(2017年2月改訂)


エイズ学研究センター      
センター長  松 下 修 三
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